転職するにあたって、「今まで自分が積み上げてきたスキルやキャリアは世間でどう評価されるんだろう」と不安に思う人は多いのではないでしょうか。求人における人材の評価は絶対的なものではなく、企業が求めるものによって変化する相対的なものです。同じ知識・スキル・経験でも、ある企業ではプラスに働くが、別のある企業ではマイナスの評価につながるということがあります。まずは、企業側がどのような尺度で応募者を評価しようとしているのかを見極めることが重要になってきます。
経済、景気、政治などと同じように、求人市場も目まぐるしく変動しています。それぞれの時代によって、価値があるとされる経験やスキルは変わっていき、当然、求められる人材像も変化していきます。採用フローにおいて、人材(応募者)の市場価値を判断するのは企業側です。企業が社風や仕事内容などと応募者を照らし合わせて、自分たちの会社にマッチする人材かどうかをジャッジしていきます。つまり、それぞれの企業が求めている人材像と合うポイントが多い人材が、その企業にとっての「価値が高い人材」ということになるのです。
では、企業が人材の価値を判断する尺度とは具体的にどのようなものなのでしょうか。それを知るためには、募集している仕事内容や評価基準をしっかり把握することが必要です。事務職と営業職で求めている人物が違うことはすぐにわかると思います。また、一言で営業職とくくっても、企業が募集をかけた背景や仕事内容によって求められている能力は違ってくるのです。つまり、「企業側が処理してほしいと思っている仕事について、きちんと遂行できるかどうか」という点に関してチェックするための項目が、企業が価値を判断する尺度ということになるのです。
自社の企業風土や社風に合いそうな人間か、応募者の持っている能力を発揮できるための業務があるか、自社で働く上でなくてはならない経験やスキルがあるか、などのさまざまな判断基準を決め手に、求めている人材像により近い人を見極めていくのです。
エントリーシートの内容、SPIなどの適性検査や面接を通じて、その職種に適しているのか、応募者はどういった考えの持ち主なのか、どんな経験をしてきてどんなスキルを持っている人なのか、といった評価項目から採用するかどうかを決めますが、転職による中途採用の場合、新卒採用に比べてスキルを重視する傾向が強いようです。